この記事では、EV車の魅力や最新技術、環境への影響について紹介します。EV車が私たちの生活に与える変化と、持続可能な未来への貢献に焦点を当てています。
EV車とは?
さっそくEV車について解説していきます。
EV車のEVは、「Electric Vehicle」の略です。Electricは日本語で「電気の」と言う意味でVehicleは「車両」や乗り物と言う意味です。EV車は電気の力で走る電気自動車です。
EVには以下の4種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
バッテリー電動車(BEV)
ハイブリット電動車(HEV)
プラグインハイブリット電動車(PHEV)
水素燃料電池車(FCV)
バッテリー電動車(BEV)とは?
バッテリー電動車(以下BEV)は、電気の力のみで動く車両です。そのためガソリンは一切使用しません。
内燃機関(エンジン)を持たずに、バッテリーから電力を供給しモーターで車を動かします。ゼロエミッション車として知られ、ガソリン車と比べ二酸化炭素を排出せず、環境に優しい車として世界に普及しています。
充電に関しては、家庭に電気ステーションを設置してするのが一般的で寝ている夜間の間に充電を完了させます。街中の設置されている充電スタンドは、急速充電が可能なため短時間で多くの電気を充電できますが、充電は原則30分までと決められていることが大半です。
メリット・デメリット
メリット
1.二酸化炭素を排出しない
ガソリン車と違い、走行中に二酸化炭素を排出しません。
2.トルクが低速から高速まで一貫しているため加速がスムーズ
電動モーターは内燃機関に比べて非常に効率的なため、加速がスムーズです。高速の合流などでスト レスなく運転できます。
3.エンジンを積んでいないため振動や騒音が少ない
BEV車はエンジンを必要とせずモーターの力で走ります。そのため振動や騒音が少なく快適な車内空間が特徴です。
4.燃料コストが低い
ガソリンに比べ電気の方が安いため、燃料コストを抑えることができます。
5.災害時などに蓄電池として活用できる
BEV車は災害時などで停電してしまった場合、大容量のバッテリーを活用して蓄電池として利用できます。災害時に蓄電池として利用した事例もあり、もしもの時の対策としても考えられます。
6.補助金や減税の対象になる
補助金についての記事はこちら
デメリット
1.車両本体が高い
一般的な内燃機関者車に比べ、本体価格が高い傾向にあります。バッテリーのコストが主な要因となっています。
2.航続距離が短い
BEV車の航続距離はバッテリー容量に依存しますが、一般的に内燃機関車よりも短いことが多いです。近年、航続距離が長い電気自動車もありますがその分車両のコストも高いことが多いです。
3.充電設備が必要
自宅で充電する際には、充電設備を設置する必要があります。設置には十分なスペースが必要で、コストもかかります。
4.充電に時間がかかる
ガソリン車の場合、給油時間は5分~10分ほどで完了しますが、BEV車は家庭などでの普通充電では満タンまでに数時間から長くて12時間ほどかかります。
5.充電インフラの不足
充電ステーションの普及は地域によってまちまちであり、一部の地域ではまだ整備されていないことがあります。
6.ミニバンなど大人数向けの車がない
BEV車のバッテリーは大容量でコストが非常にかかります。ミニバンなどは大きく重たいためその分バッテリーのサイズや容量も増加します。そうなればコストも大きくなり、家族向けには受けない値段となってしまうため現時点ではあまり普及していません。
ハイブリット電動車(HEV)とは?
ハイブリット電動車(HEV)は、内燃機関(ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン)と電動モーターの両方を搭載し、それらを組み合わせて効率的な動力を提供する自動車です。
モーターで使用する電気はエンジンで発電するため、電気の充電は必要ありません。通常のガソリン車と同じようにガソリンを給油します。
HEV車の中にもいくつか種類があります。
まず、ストロングハイブリットとマイルドハイブリットの2つのシステムがあります。
ストロングハイブリットとは
エンジンを切ってモーターのみで走行できるハインブリット車
ストロングハイブリットには シリーズ方式とスプリット方式の二つがあります。
シリーズ方式…電動モーターが唯一の駆動力源で、内燃機関(エンジン)は発電機としてバッテリーを充電するために使用されます。
スプリット方式…内燃機関(エンジン)とモーターを分割しそれそれのシーンに合わせて稼働させる仕組みです。効率的なエネルギー管理を可能とします。
マイルドハイブリットとは
エンジンでの走行を基本とし補助的な役割でモーターを使うハイブリット車
マイルドハイブリットには パラレル方式のみです。
パラレル方式…内燃機関(エンジン)を主体として走行し、発進や加速時のエネルギー消費が大きい場面でモーターが同時に稼働し燃費効率を高めます。
メリット・デメリット
メリット
1.燃費が良い
内燃機関(エンジン)とモーターを組み合わせて効率的に走行し、通常の内燃機関(エンジン)車よりも燃費が向上します。
2.排出ガスの削減
モーターを使用することで、エンジンを使用する頻度が単純に減少します。同時にガソリンを使用する機会も減少するため二酸化炭素の排気ガスを抑えます。
3.低速での静かな走行
モーターは低速で高いトルクを提供し、静かで滑らかな走行を実現します。
4.エンジンの寿命が長い
エンジンとモーターに負荷が分散されるため必然的にエンジンの自寿命が延びます。故障が少なくなるため長い目で見たときに出費を抑えられます。
5.補助金や減税の対象になる
補助金についての記事はこちら
デメリット
1.車両本体価格が高い
HEVは一般的に内燃機関(エンジン)車よりも高価です。バッテリーと電動モーターを追加するため、初期購入コストが高くなります。
2.車内スペースが狭い
バッテリーの配置により、車内スペースに制約が生じることがあります。特に小型車の場合、このデメリットが目立ちます。
3.充電ができない
HEV車は電気を作るのに内燃機関を使用するため、ガソリンの給油が必要です。BEV(バッテリー電動車)とは違い電気を充電することはできないため、燃料コストはBEV車に比べ高いです。
プラグインハイブリット電動車(PHEV)とは?
プラグインハイブリット電動車(PHEV)は、ハイブリット電動車(HEV)と同じように内燃機関(エンジン)とモーター両方を搭載した自動車ですが、外部からの充電ができないハイブリット電動車(HEV)と違い外部からの充電が可能です。
モータのみでの走行も可能で、充電がなくなったらエンジンだけで走行ができます。充電スタンドがなくてもガソリンで動くためあまり普及していない地域でも乗ることができます。
また、メーカーによっては「PHV」と表記されることもありますが「PHEV」と変わりはありません。
メリット・デメリット
メリット
1.燃費が良い
電動モーターとガソリンエンジンの組み合わせにより、燃費が向上します。都市部での短距離走行時には電動モードを利用し、長距離走行時にはガソリンエンジンを活用することができます。
2.静かで振動が少ない
電動モードではエンジンが停止しているため、静粛で快適な走行が可能です。
3.二酸化炭素の排出を抑える
内燃機関(エンジン)だけでなくモーターでも走行するため二酸化炭素の排出量が通常の内燃機関(エンジン)車よりも抑えられます。
4.燃料コストが低い
大容量バッテリーにより、ガソリンの燃料費が抑えられ燃料コストが下がります。
5.スムーズな加速
モーターは低速での加速で力強いトルクを発揮するためスムーズな加速を体験できます。
6.使い勝手の良さ
多くのPHEV車は、エンジンを電力の蓄電にあてるモードや電気のみで走るモード、一つ前に説明しているハイブリット電動車(HEV)と同じように走るハイブリットモードなどが選べ、場面によって使い分けができ使い勝手がいいです。
7.減税の対象になる
デメリット
1.車両本体価格が高い
大容量のバッテリーを搭載しているため、本体価格は通常のガソリン車よりも高価です。
2.車内空間が狭い
バッテリーなどの装備により、車内空間が狭い傾向にあります。
3.充電が必要
ガソリンの給油も必要で、尚且つ充電も必要になります。充電には時間がかかるため面倒と思う方も多いでしょう。
4.充電設備が必要
自宅で充電する際には、充電設備を設置する必要があります。設置には十分なスペースが必要で、コストもかかります。
5.車種が少ない
ハイブリット車に比べPHEV車は車種が少なく、選択肢があまりありません。
水素燃料電池車(FCV)とは?
水素燃料電池車(FCV)は、水素を燃料として使用し、電気エネルギーを生成して走行する車両です。生成した電気でモーターを動かします。
エンジンは積んでおらず、排出するのは水だけで環境に優しい車として注目されています。
他のEV車と比べ、航続距離も長く補給に時間がかかりません。EV車と同じくモーターで走るため騒音や振動は少なく車内で快適に過ごすことが可能です。
メリット・デメリット
メリット
1.高い燃費性能と航続距離
FCV車は水素を使用して電力を生成するため、燃費が優れています。また、通常のEV車に比べ航続距離が長いです。
2.速い給油時間
EV車は電力の充電に時間がかかってしまいますが、FCV車はガソリンの給油と同程度の時間で完了できます。
3.振動や騒音が少ない
電気を生成し、モーターで走るため他のEV車と同様に静かで振動が少ないです。快適な車に空間を求める人にはもってこいの車です。
4.環境に優しい
燃料が水素のため、排出するのは水のみ。環境に非常に優しいエコカーとして知られています。
5.スムーズな走り
モーターは低速から高速まで安定した力強いトルクを提供してくれるため加速がスムーズで、ストレスなく走ることができます。
6.補助金や減税の対象になる
補助金についての記事はこちら
デメリット
1.車両本体価格が高い
FCV車には燃料電池が搭載されており、燃料電池の製造にはレアメタルが使われています。そのため製造コストが高く、車両の値段も高価です。
2.水素ステーションの不足
水素ステーションの設備は全国でまだ少なく、地方には設置されていないことがほとんどです。ガソリンスタンドがなければ車に給油できないのと同様に、FCV車も給油できなければ走れません。FCV車が普及していない原因の一つです。
EV車比較表
バッテリー電動車 (BEV) |
ハイブリット車 (HEV) |
プラグインハイブリット車 (PHEV) |
水素燃料電池車 (FCV) |
|
環境 | 排気ガスを排出しない | エンジン使用時に排出 | エンジン使用時に排出 | 水のみ |
燃料コスト | 非常に安い | 少し安い | 安い | 少し安い |
補助金・免税 | ある | ある | ある | ある |
本体価格 | 高い | 少し高い | 高い | 非常に高い |
車種 | 少ない | ある | ある |
少ない(BEVより) |
走行(加速・騒音・振動) | 非常に快適 | 快適 | 快適 | 非常に快適 |
給油 | 電気 | ガソリン | 電気とガソリン | 水素 |
給油ステーション | 少ない | 多い | 少ない/多い | 非常に少ない |
まとめ
EV車は環境に優しく、持続可能なモビリティの未来を切り拓く先駆者です。
ガソリン車と比べて排気ガスを排出せず、静かで快適な走行体験を提供します。燃費が優れ、エネルギーコストも低いため、長期的な節約が期待できます。さらに、EVは加速が素早くストレスなく運転できます。
ただし、充電インフラの整備が進行中であることや、充電時間が必要なことなど、課題もあります。また、電力の再生可能性や供給源に関する検討が必要です。しかし、技術の進化と政府の支援により、EVの利点がますます際立つでしょう。
EVは私たちの環境と経済に対する負荷を削減し、持続可能な未来への道を切り開く革命的な選択肢です。持続可能性を追求するなら、EVの採用を検討する価値があります。