車のナンバープレートは、車の登録地や種類を示す数字や文字から成り立っています。日本では、これらは地域コード、分類番号、そして個別識別番号に分かれ、多くの重要な情報を提供しています。この記事では、ナンバープレートの意味を詳しく解説します。
車のナンバーそれぞれの意味
1.漢字の意味
日本の車のナンバープレートの左上に表示される地名には特定の意味があります。
- 登録地域
- ナンバープレートに表示される地名は、その車が登録された地域を示しています。日本では、都道府県名が2文字で表示され、次に市区町村名が漢字2文字またはカタカナ3文字で表示されることが一般的です。
- 交通事故や車両盗難の追跡
- 地名表示は交通事故や車両盗難の際に非常に有用で、警察や関係者が被害者や加害者の車両の登録地域を把握することができます。これにより、迅速な対応が可能となり、車両の出自や行動範囲などを把握することができます。
- 地域識別
- また、地名表示は他のドライバーや歩行者にとって、車がどの地域から来たのかを判断するための目印ともなります。
地名表示は元々、車両の登録地を示すために導入されました。しかし、登録地と運転地が異なる場合もあるため、現在では必ずしも運転地を示すわけではありません。
また、別荘地を使用の本拠地として登録することも可能です。
地名表示の由来は、昭和30年代に国内における車両保有台数が急増したため、警察が交通違反取締りを効率的に行うために導入されたもので、現在では地名表示によってどの地域で交通違反が多いのかなどのデータ収集にも利用されています。
2.3桁の数字の意味
日本の車のナンバープレートにおける右上の3桁の数字は、「分類番号」と呼ばれ、それにより自動車の種別や用途を表しています。具体的には以下のようになっています
- 上1桁目
- 自動車の種別や大きさを表し、大まかな用途を示しています。
- 「1」は普通中型または普通大型の貨物自動車を表しています。
- 「2」は普通中型または普通大型の乗合自動車を示しています。これは主に定員11名以上の乗合自動車に該当します。
- 「3」は普通中型または普通大型の乗用自動車を表し、これは定員10名以下の乗用自動車に該当します。
- 「4」は普通小型の貨物自動車を表します。
- 「5」は普通小型の乗用自動車または乗合自動車を示します。
- 自動車の種別や大きさを表し、大まかな用途を示しています。
- 下2桁
- 下2桁はナンバーが一般的に払い出されたものか、あるいは希望番号かを表しています。一般的に払い出されたナンバーの場合、下2桁の数字は小さい順に払い出され、希望番号の場合は「×30」から払い出しが開始されます。
3桁の数字は、自動車の主な用途や大きさに加えて、払い出されたナンバープレートが希望番号であるかどうかも示しています。これらの情報は、ナンバープレートを見るだけでその車がどのような車であるかを判断するのに役立ちます。
3.ひらがなの意味
日本の車のナンバープレートに記載されているひらがな1文字は、車の用途を示す分類記号として使用されています。
これにより、その車が自家用車、事業用車、またはレンタカーであるかを識別することができます。このひらがな1文字は正式には「事業用判別文字」と呼ばれています。
具体的なひらがなの使用に関しては、以下のようになっています。
- 自家用車(普通車)
- ひらがなは「さ・す・せ・そ」、「た・ち・つ・て・と」、「な・に・ぬ・ね・の」、「は・ひ・ふ・ほ」、「ま・み・む・め・も」、「や・ゆ」、「ら・り・る・ろ」の29文字が使われます。
- 自家用車(軽自動車)
- 「あ・い・う・え」、「か・き・く・け・こ」、「さ・す・せ・そ」、「た・ち・つ・て・と」、「な・に・ぬ・ね・の」、「は・ひ・ふ・ほ」、「ま・み・む・め・も」、「や・ゆ・よ」、「ら・る・ろ」、「を」の39文字が使われます。ただし、「り」は使われず、「よ・を」が加わります。
- 事業用車
- 事業用の車では、ひらがなは「あ」から始まり、使用可能な数字がすべて使い果たされると50音順に次のひらがなに進んでいきます。
- レンタカー
- レンタカーの場合、ひらがな「わ」や「れ」が使われることが広く知られています。
これらのひらがなは、それぞれの車種に対して特定のひらがなが割り当てられ、それにより車の用途を識別できるようになっています。また、これらのひらがなはナンバープレートの数字の左横に1文字で表示されます。
4.4桁の数字の意味
車のナンバープレートに表示される4桁の数字は、正式には「一連指定番号」と呼ばれており、1999年から「希望ナンバー制度」が導入され、車の購入者は所定の手数料を支払うことで、この4桁の数字を自分で選ぶことが可能になりました。
この制度は車の購入時に特に利用され、車購入者の約半分以上がこの制度を利用しているとされています。希望ナンバー制度は車種や色、仕様と同じく、車のカスタマイズの一部となっており、愛車にさらに愛着を持つ要素となっています。
希望ナンバーを選ばない場合、ナンバープレートの数字は自動的に割り振られます。通常は連番で割り振られることが多いですが、地域や運輸支局によって割り振り方が異なる可能性があります。
また、希望ナンバーの申請には手数料が必要で、東京都の場合、普通車は4,140円、軽自動車は4,180円の手数料がかかります。
ディーラーや中古車屋では「希望ナンバー手数料」として10,000円~20,000円の見積もりを提供する場合もありますが、希望ナンバー申請は個人でも行うことが可能で、手数料を節約することができます。
ナンバーの色の意味
- 白色のナンバープレート
- 白色のナンバープレートは通常、普通自動車や小型自動車に使われます。
- 黄色のナンバープレート
- 黄色のナンバープレートは軽自動車に使われます。
- 軽自動車は、エンジン排気量が660cc以下で、車体のサイズも制限されています。
- 緑色のナンバープレート
- 緑色のナンバープレートは通常、事業用の乗用車や貨物車に使われます。
- 黒色のナンバープレート
- 黒色のナンバープレートも事業用の軽自動車に使われます。
これらの色は、ナンバープレートの目的や車のタイプを識別するために重要であり、規則によって決められています。
また、一部の特別な場合には、通常は黄色のナンバープレートが付けられる軽自動車でも、白色のナンバープレートを選ぶことができます。
これは、2017年4月に法律が改正された後に可能になり、特定のイベントや地域のプロモーションを目的とした特別仕様のナンバープレートを申請することによって可能になります。
軽自動車の黄色ナンバーを白ナンバーにすることで煽り防止の効果も期待できます。
まとめ
車のナンバープレートに記されている文字や数字は、その車の登録情報を表現しています。通常、ナンバープレートには地域コード、車種区分、および固有の登録番号が含まれています。
地域コードは車が登録されている地域を示し、車種区分は車の種類やサイズを示します。固有の登録番号は、その地域内での車の識別を可能にします。
これらの情報は、交通管理を助け、法執行機関が違法行為を追跡しやすくするために重要です。また、ナンバープレートは個人のアイデンティティを表現するカスタムプレートとしても利用されることがあります。